PVおよびSOMインターニューロンは、別個の行動相関とネットワーク相関を示す

Distinct behavioural and network correlates of two interneuron types in prefrontal cortex.
Kvitsiani D, Ranade S, Hangya B, Taniguchi H, Huang JZ, Kepecs A.
Nature. 2013 Jun 20;498(7454):363-6. doi: 10.1038/nature12176. Epub 2013 May 26.


Distinct behavioural and network correlates of two interneuron types in prefrontal cortex. - PubMed - NCBI



帯状皮質 (ACC) のPV neuronおよびSOM neuronの活動と、神経回路や行動の関係に迫った論文。


PV-CreもしくはSOM-Creマウス、および、AAV-DIO-ChR2を使用。光刺激を利用して細胞種 (PV neuronもしくはSOM neuron) を特定し (Fig. 1)、その活動パターンを解析した。
行動試験として採餌行動タスクを用いた。マウスは、直線状のトラックを行き来することで、トラックの端にある報酬ゾーンで水が与えられる (Fig. 3 a)。


・PVもしくはSOM interneuronの活動が、局所回路に与える影響の検討(Fig. 2)。
PV neuronではミリ秒オーダーの同期発火が多くみられ、短く正確な抑制をかけている。
これ対し、SOM neuronはより長く多様な抑制をかけている。


・行動試験中の各interneuronの活動の記録(Fig.3)。
PV neuronは報酬ゾーンを離れる時に一時的に発火が上昇する。
SOM neuronは波形により2種類に分けられ、NS (narrow spikes)-SOM neuronは報酬ゾーンに入ると発火が減少する。
一方、WS (wide spikes)-SOM neuronは報酬ゾーンへの侵入の前後で発火が増加するが、各細胞によりタイミングは様々である。



PV neuronは細胞体周囲を標的とする (出力の制御) 一方で、SOM neuronは樹状突起を標的とする (入力の制御) と考えられており、本論文の各interneuronの抑制パターンについての結果は、これに一致している。
このように、異なる抑制様式を持つ細胞集団の活動が、それぞれ異なる行動と関係しているというのは興味深い。
こうした抑制パターンが採餌行動に必要なのかどうか、必要なのであれば、異なる抑制の結果ACCで何が起こって行動に繋がるのか、など、気になるところです。



Qoo