怪我による警戒心アップ

Nociceptive Sensitization Reduces Predation Risk
Robyn J. Crook, Katharine Dickson, Roger T. Hanlon and Edgar T. Walters
Curr Biol. 2014 May 19;24(10):1121-5.

怪我による防衛行動の鋭敏化は多くの種に共通してみられ、強力な選択圧がかかったことが容易に推測できる。これを実験室レベルで確かめた論文。
モデルとしてイカを使用。イカの第3の足の先っぽを切断し、捕食者(ブラックシーバス、スズキの親戚)に対する反応を観察。直径360cm、深さ90cmの環境。
・警告反応などといった捕食者の存在に対する反応が怪我群で鋭敏化。局所麻酔により痛みを感じなくさせた場合、この鋭敏化は消失する(Fig. 2)。局所麻酔のみの投与は無傷なイカと同程度。
・怪我の痛みを局所麻酔でなくした場合、生存率が19%に。怪我による防衛反応の鋭敏化により生存率は45%にアップ。無傷な場合は75%(Fig. 3)
怪我による生存コスト、防衛反応の鋭敏化の利益を数値化した点がポイントかと
2nd