興奮毒性による細胞死

The subtype of GluN2 C-terminal domain determines the response to excitotoxic insults.
Martel MA, Ryan TJ, Bell KF, Fowler JH, McMahon A, Al-Mubarak B, Komiyama NH, Horsburgh K, Kind PC, Grant SG, Wyllie DJ, Hardingham GE.
Neuron. 2012 May 10;74(3):543-56.

lesion実験の手法にも用いられる興奮毒性に関する論文。NMDARのサブタイプであるGluN2A, GluN2Bの細胞質ドメインのC末端(CTD)に着目。
・in vitroおいてGluR2BのC末端(CTD2B)の存在が興奮毒性による細胞死を促進(fig1)。in vivo でも同様の結果(fig3)。
・CTD2B をGluN2AのC末端(CTD2A)に置換すると興奮毒性により細胞死が減少(fig2)
・CTD2AよりもCTD2BはPSD95-nNOS経路に強くcouplingする(fig5)。このPSD95-nNOS経路はCREBの活性化を抑制する。本来CREBによる遺伝子発現は興奮毒性による細胞死に対する抵抗性を示す。CTD2BはPSD95-nNOS経路を介して、CREBによる遺伝子発現を抑制し、興奮毒性による細胞死を促進する(fig4)。
興奮毒性の抑制は第一三共の抗アルツハイマー薬であるメマリーのように、創薬ターゲットとなる可能性を秘めています。
2nd