microRNA 128b は消失記憶形成を制御する
こんにちは、Qooです。
今回紹介する論文はこちら。
Nat Neurosci. 2011 Aug 14. doi: 10.1038/nn.2891.
The brain-specific microRNA miR-128b regulates the formation of fear-extinction memory.
Lin Q, Wei W, Coelho CM, Li X, Baker-Andresen D, Dudley K, Ratnu VS, Boskovic Z, Kobor MS, Sun YE, Bredy TW.
The brain-specific microRNA miR-128b regulates the formation of fear-extinction memory. - PubMed - NCBI
miR-128bは脳に特異的に発現するmicroRNAである。
筆者らは、消失学習時にinfralimbic prefrontal cortex (ILPFC) において増加するmiR128bが消失記憶の形成に必要であること、そしてこれがRcs の負の制御を介することを示した。
用いたのはAuditory Fear Conditioning課題。
Fig 1では、extinction training によりmiR-128bの発現量が増加したこと、miR-128bをノックダウンするとextinctionが抑制され、過剰発現させると促進されたことを示している。
そこで、miR-128bが制御する遺伝子の候補をデータベースから6つ挙げ、その中の1つregulator of calmodulin signaling (Rcs) が、実際にmiR-128bの過剰発現により発現が抑制された (in vitro) こと、また、消失学習後に発現量が減少していたことを示した (Fig 2, 3a)。
Rcsのノックダウンによりextinctionは促進され (Fig 3b)、これは、miR-128bの過剰発現の結果と一致している。
以上から、miR-128bはRcsの負の制御を介して、元の記憶の想起から新しい消失記憶の形成への過程を促進すると結論付けている。
読んでいて気になったのは、Fig2で、in vitro とin vivoの結果を照らし合わせる時に、CREBなどはextinction群とno-extinction群やナイーブ群の差がないので、一致しない、みたいな書き方をしていた所。再固定化のために上昇するはずのCREBが抑制されていると考えれば、下流としてツジツマが合うと思うのだけれど、そこは追究していなかった。想起群(つまり、再固定化が消失学習よりも優位な群) がないから仕方ないのだけれど。うーん。
以上です。